活性酸素について
私達人間は、生きるために酸素を必要とします。
私達の体は、酸素を使って、体の中で栄養分を分解し、エネルギーを得て生きています。
この酸素が他の物質と結び付くことを「酸化」と言います。
体が健康であるということは、体のすべての細胞に酸素と栄養分が十分いきわたり、細胞が元気だということです。
しかし、呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝の過程で極めて不安定な状態になります。
そして不安定になると、近くにある物質と結びつこうとします。
この時の酸素は、大変酸化力が強く、これが「活性酸素」と呼ばれるのです。
この活性酸素が、細胞を傷つけて、ガンや心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。
さらに、アトピー性皮膚炎、シミ、シワの原因となったり、老化のスピードを早めたりもしています。
活性酸素は、抑制されないままだと、細胞の損傷と病気を広げていくのです。
活性酸素の影響を受けると、動脈や静脈を配列する細胞に致命的なダメージを与え、血管を弱らせます。
すると、血管は傷つきやすくなり破裂を起こしたり、動脈の硬化を進行させることもあります。
活性酸素は呼吸によって体内に取り入れられた酸素のうち、約2~3%がなるといわれています。
このように、酸素を吸って生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることのできないものです。
しかし、活性酸素は、私たちが生きていく上でなくてはならない極めて重要な働きもしています。
その一つが、殺菌や解毒作用です。
体内に細菌やウイルスが侵入してくると、好中球やマクロファージと呼ばれる免疫細胞は、
自らも活性酸素を作り出し、その強い殺菌力で病原体や有害物質を退治してくれます。
このように活性酸素は、私達の体を助けてくれる役割をもつと共に、体に害をもたらすものとも言えます。